【データコラムvol.6】昨季ファイナリストに挑む4試合!滋賀レイクス勝利のカギは

滋賀レイクスターズ

滋賀レイクスでは2022-23シーズン、データスタジアム株式会社のアナリストによる、データに着目をしたコラム連載企画を実施しています。

熾烈な残留争いの真っ只中にある滋賀レイクスは2月のバイウィーク以降、1試合の不戦勝を含めて8勝5敗と勝ち越し、今季初の4連勝を記録するなど、調子を上げてきている。今季はリーグ戦下位2チームが自動降格となるが、レイクスはこの降格圏こそ脱してはいるものの、順位が1つ下で降格圏にいる富山グラウジーズとはわずか2ゲーム差。今後も一戦も落とせない状況が続いていく。

ここからのスケジュールを見ると、4月15日,16日には琉球ゴールデンキングス、4月29日,30日には宇都宮ブレックスとのホームゲームを控えている。昨シーズンチャンピオンシップ ファイナルを戦った強豪との4試合はB1残留のためにも非常に重要となる。

今回のコラムでは、この両チームとの対戦に焦点を当て、両チームの特徴と勝敗の鍵となるスタッツを紹介していく。


※記録は2023年4月10日時点

圧倒的なリバウンド力を誇る琉球

まずは、琉球のチームとしての特徴を探るため、第4回のコラムでも参照した「Four Factors」を見ていこう。自チームの数字がオフェンス面、相手チームの数字がディフェンス面での数字となる。

>>Four Factorsの詳細は第4回コラムへ

琉球のFour Factorsの中で目立つのは、やはりORB%だろう。自チームのORB%:37.7%はリーグトップ、相手チームのORB%:24.4%はリーグで最も低い数字となっており、攻守両面でリバウンドが大きな強みとなっている。自分達のシュートが外れても4割近い確率でリバウンドからセカンドチャンスを得ることができ、逆に相手のシュートが落ちれば、4本に1本程度しか相手にリバウンドを奪われないことになり、この差だけでもかなりの攻撃回数の差を生み出すことができる。

その他の項目もハイレベルな数字が揃っており、ほとんどが24チーム中で上位半分以上に位置している。総合的なオフェンス力を測るORTG (オフェンスレーティング) はリーグ5位、ディフェンス力を測るDRTG (ディフェンスレーティング) はリーグ1位と攻守で非常にハイレベルなチームだ。

リバウンドリーグ1位の #45 クーリー

レイクスのポインツオフターンオーバーに注目

琉球のFour Factorsはほぼ隙がないような状況だが、唯一自チームのTOV%がリーグ13位の14.8%で、24チーム中で下位半分以下に位置している。ターンオーバーがやや多いという点は琉球の数少ない狙い所と言えるかもしれない。

特に、今季の琉球は相手チームのポインツオフターンオーバー (ターンオーバーからの得点) を14点以下に抑えた試合では勝率が91%と非常に高いのに対し、15点以上の試合では勝率が53%まで低下する。一方レイクスは、バイウィーク以降1試合平均15.3点のポインツオフターンオーバーを記録しており、バイウィーク以前の13.8点から数字を上げてきている。レイクスがバイウィーク以降の水準でポインツオフターンオーバーを伸ばしていくことが出来れば、強豪琉球とも五分に戦える見込みがある。

バイウィーク以降、磨きがかかっている激しいディフェンスで琉球から多くのターンオーバーを引き出し、そこからの得点で勢いに乗っていけるかは重要なポイントとなりそうだ。

リバウンドの強さとターンオーバーの少なさが目立つ宇都宮

次に、宇都宮のFour Factorsを見ていこう。

奇しくも琉球と同じく、宇都宮もORB%が攻守ともにリーグ上位となっている。自チームのORB%:33.3%はリーグ5位、相手チームのORB%:27.5%はリーグで3番目に低く、リバウンドの強さが目立っている。

加えて、TOV%:13.6%もリーグで7番目に低い数字で、かなりターンオーバーの少ないチームだと言える。オフェンスでターンオーバーが少ないことはディフェンスにも波及効果をもたらしており、宇都宮は相手のポインツオフターンオーバーが1試合平均11.6点、相手のファストブレイクポイント (速攻からの得点) が1試合平均9.4点で、共にリーグで3番目に低い数字となっている。

ターンオーバーから相手に速攻を許すケースが非常に少ない堅実なチームだと言えるが、「ハードディフェンスからのファストブレイク」を志すレイクスとしては、いかに宇都宮からターンオーバーを引き出し、そこから速攻を出せるかも重要となりそうだ。

宇都宮のエース #6 比江島

宇都宮の得点を60点台に抑えることができるか

今季の宇都宮はオフェンスが停滞した試合で敗戦する傾向が強く、それを示すデータとして、得点が70点以上の試合では勝率が77%と非常に高いのに対し、69点以下に抑えられた試合は勝率がわずか17%に留まっている。レイクスとしては何としても宇都宮の得点を60点台に留めたいところだ。

また、宇都宮のセカンドチャンスポイント (オフェンスリバウンド後の得点) も注目したいポイント。今季の宇都宮はeFG%がリーグ23位で、シュート成功率では苦しんでいるため、シュートが外れた後にオフェンスリバウンドを奪い、セカンドチャンスポイントを獲得できるかがオフェンスの出来に大きく影響している。

宇都宮のセカンドチャンスポイントはリーグ5位の1試合平均12.9点と非常に高いが、セカンドチャンスポイントが13点以上の試合では勝率67%、12点以下では勝率26%と、勝率にかなりの差がある。平均以上のセカンドチャンスポイントを挙げられるか否かが、宇都宮の勝敗を左右していると言えそうだ。

宇都宮は積極的にオフェンスリバウンドを狙いに来るため、レイクスは全力でディフェンスリバウンドを取りに行く必要がある。また、仮にオフェンスリバウンドを取られてしまっても、そこから簡単に失点しないように粘り強くディフェンスを続けていくことも重要となるだろう。

琉球・宇都宮戦のポイントまとめ

ここまでの内容をまとめると、琉球・宇都宮共にリバウンドが非常に強力なチームのため、レイクスがリバウンドで奮闘することは必須。そのうえで、琉球戦ではレイクスがポインツオフターンオーバーを15点以上記録できるか、宇都宮戦では宇都宮の得点を60点台、セカンドチャンスポイントを12点以下に抑えられるかが鍵となりそうだ。

両チーム共にリーグを代表するような名門チームなだけに、簡単な試合とはならないはずだが、レイクスも残留のためには負けられない。リーグ屈指の強豪相手にレイクスがどんな戦いを見せてくれるのか、ぜひこれらのポイントに注目しながら試合を見て頂きたい。

(文:データスタジアム株式会社 バスケットボールアナリスト 柳鳥亮)

CLIMAX PROJECT 2023

対象試合

第32節 滋賀レイクスvs琉球ゴールデンキングス
4月15日(土)16日(日)両日14:05試合開始

4月15日(土)GAME1▼

4月16日(日)GAME2▼


第35節 滋賀レイクスvs宇都宮ブレックス
4月29日(土)30日(日)両日14:05試合開始

4月29日(土)GAME1▼

4月30日(日)GAME2▼


会場:滋賀ダイハツアリーナ

CLIMAX PROJECT 2023 特別協賛パートナー

CLIMAX PROJECT2023に特別協賛いただくパートナーとともに滋賀一丸となって勝利を掴み取ります

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