【STORY ジャスティン・バーレル】弱さを認め備わった強いリーダーシップ

滋賀レイクスターズ

ジャスティン・バーレルは日本バスケットボール界における外国籍選手“生き字引”のような存在だ。2011年にbjリーグ新規参入の横浜ビー・コルセアーズに加入し、レギュラーシーズンMVPとベスト5に選ばれるなど強烈なインパクトを残した。
そしてフランスでの2シーズンを経て、2014-15シーズンにはNBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)の千葉ジェッツでプレー。2015-16シーズンにNBLの三菱ダイヤモンドドルフィンズ名古屋に加入し、翌シーズンから名古屋ダイヤモンドドルフィンズに改称したチームでB1を戦っている。
2021-22シーズンにはキャプテンとしてB2リーグの仙台89ERSのB1リーグ昇格へと導いた。日本の4カテゴリーでプレーしてきた彼は日本バスケット界のレジェンドである。

横浜BCへの加入は意外な理由だった。アメリカのセント・ジョーンズ大学を卒業したバーレルには、実はNBAロサンゼルス・レイカーズに入れるチャンスがあったという。だが、2011年に起きたNBAのロックアウトが長引いたことで、身の振り方を考えなくてはいけない状況となってしまった。その時に横浜ビー・コルセアーズから声がかかった。

「これから歴史を築き上げるチームに魅力を感じた。加えて、もともと日本文化に興味もあったので横浜でのプレーを選んだ」

一時はNBA挑戦のために日本を離れ、フランスでキャリアを積み重ねた。だが、NBAチームとは契約に至らず、再び自身のキャリアと向き合った。その時に思い出したのが日本での1年だった。

「選手たちの闘争心が高く、簡単に勝てるようなリーグではなかった。自分はそういう高いレベルでプレーしたいと思っていたので再び日本に戻る決心をした。横浜での1年がなかったら、これほど長く日本でプレーすることはなかったと思う」

日本でのプレーは今シーズンで通算12シーズン目。これほど長く続けられた要因は「リーダーシップ」だと彼自身は分析している。実際、前所属の仙台では2シーズンにわたってキャプテンを務め、1シーズン目には強いリーダーシップを発揮してB1昇格へと導いている。

リングを破壊しそうな豪快なダンクと陽気なキャラクター、そしてこのリーダーシップ。当然、強いメンタルの持ち主なのだろうと思われたが、本人は「絶対に違う。自分のメンタルは小さい」と評価しているようだ。

「昔から心身が強い人がリーダーだとは思っていません。自分の弱さを知っていて、それを周りにさらけ出せる人がリーダーだと考えています。例えば、何かを質問された時に自分が分からない時は分からないと答える。でも、後でほかの誰かに答えを聞いてきて、質問者に答えを伝えるとかね。そういうサポートをできる人がリーダーだと思っています」

滋賀レイクスに来てから、バーレルは全選手やスタッフと密にコミュニケーションを図ってきた。リーダーとしてチームをサポートするためである。その積み重ねがチームを一つにし、B1昇格へつながることを彼は知っている。

「バスケは人生の縮図です。良い時もあれば、悪い時もある。全ての過程や過去は自分たちの武器になる。そして悪い時には、自分たちが今までやってきた過程を信じ切ること。目標達成にはそういうメンタリティが必要になると思います」

今シーズンの個人目標は「チームの成功を、その一員として見届けること」だと話す。
実にリーダーらしい目標である。

ジャスティン・バーレル
JUSTIN BURRELL



背番号:24
ポジション:PF/C
身長/体重:204cm/115kg
生年月日:1988年4月18日 
出身地:アメリカ合衆国

経歴/Career

St. John's University(NCAAⅠ)
2011-12 横浜ビー・コルセアーズ(bj)

∟bjリーグ3位、レギュラーシーズンMVP、ベスト5

2012-13 Champagne Basket(FRA-Ⅱ)
2013-14 Cholet(FRAⅠ-LNB)
2014-15 千葉ジェッツ(NBL)
2015-21 三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋(NBL)/名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(B1)

∟2017-18 B1チャンピオンシップ準々決勝出場
∟2018-19 B1チャンピオンシップ準々決勝出場

2021-23 仙台89ERS(B2,B1)

∟2021-22 B2準優勝=B1昇格

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