【STORY キーファー・ラベナ】フィリピンと日本を繋ぐかけはしに

滋賀レイクスターズ

Bリーグの「アジア特別枠」制度を活用して2021年に滋賀レイクスに加入したキーファー・ラベナ。母国フィリピンでSNSフォロワー数100万人超えの人気選手だった彼は、2019年のFIBAワールドカップ(中国)でフィリピン代表のキャプテンを務め、23年のワールドカップ(フィリピン、日本、インドネシア共催)にも出場している。そんな輝かしいキャリアの中で、昨シーズンのB2降格はショッキングな出来事だった。

昨シーズン終了後のオフは彼の去就に注目が集まった。国際舞台での活躍に加え、B1で十分な実績も残していた司令塔はB2での戦いを選ばないのではないかという見方があったからだ。だが、予想に反して滋賀出身の森山修斗に次ぐチーム2番目の早さでチーム残留が発表された。

「自分たちの目標はB1残留だったので、それを達成できなかったことは悔しかったです。シーズンを通して、どんな状況でも応援を続けてくれたブースターに申し訳ないとも思いました。でも、それは一瞬だけの感情で、すぐに気持ちは切り替わりました。応援してくださる皆さんに、違う形で恩返しをしないといけないという思いが体の内側から湧いてきました」

残留を決めたのは、母国がメイン会場となるワールドカップに集中したいという理由もあった。そもそも日本に来た目的は、代表キャプテンの自分がさまざまなバスケットスタイルを身に付け、それを代表にフィードバックしたかったからだ。

滋賀レイクスに加入した当時、キーファーはこんな話を口にしている。
「19年のワールドカップでフィリピン代表は5戦全敗でした。世界で戦うために選手個々の成長が必要だと思い知らされた。幸い、23年のワールドカップに向けた次の世代にはサイズがあり、スキルも高い選手たちが出てきている。今までフィリピンにはいなかったタイプの選手たちです。彼らに良いバスケットを見る機会を与え、成長できる環境を作ることが我々世代の役割だと感じています」
次代のフィリピン代表選手たちへの“架け橋”となるため、キーファーたちの世代は海を渡ったのである。

滋賀レイクスで3シーズン目を迎えるラベナは「フィリピンの若い選手たちの目標になれている実感はあります」と話す。
「ワールドカップでアジアの国は大きな結果を残すことはできなかったが、その中で日本はフィンランド代表から金星を挙げ、最終的にパリオリンピックの出場権も手にしました。アジア諸国が下に見られている中で、日本は世界のトップレベルと競い合えることを証明したと思います。その日本で、多くのフィリピン国籍の選手がプレーすることはすごく意義があることだと思っています。今シーズンもフィリピン国籍の選手が多く日本でプレーしますし、自分たちがフィリピンの若い世代にとっての架け橋になれていると感じています」

フィリピン代表への想いは今シーズンも変わらない。そして母国と日本との架け橋になる機会を与えてくれた滋賀レイクスへの想いはコートの上で表現するつもりだ。

キーファー・ラベナ
KIEFER RAVENA


背番号:15
ポジション:PG/SG 
身長/体重:183cm/82kg
生年月日:1993年10月27日 
出身地・国籍:フィリピン/Philippines

経歴/Career

Ateneo de Manila university
2017 Alab Pilipinas(ASEAN League)
2017-21 NLEX Road Warriors(PBA)

-17 【FIBA Asia Chanmpions Cup】Honorable Mention
-18 【PBA Philippine Cup Semifinals】Honorable Mention
-19 【PBA Governor's Cup】Regular Season Champion、Guard of the year、1st Team

2021- 滋賀レイクスターズ/滋賀レイクス(B.LEAGUE)

-21 【B.LEAGUE Regular season】Assists 3rd, Steals 3rd

代表歴/National Team

U16代表(2009)
U18代表(2010)

-【All-Asian U18 Championships】Best Foward、1st Team

A代表(2011、15、17-23)

-FIBA World Cup 2019 in China
-FIBA World Cup 2023 Asian Qualifiers
-SouthEast Asian Games 2022
-FIBA Asia Cup 2022

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