【データコラム vol.3】新体制で何が変わった?中断前6試合のスタッツから見えた変化

滋賀レイクスターズ

滋賀レイクスでは2022-23シーズン、データスタジアム株式会社のアナリストによる、データに着目をしたコラム連載企画を実施しています。
第3回のコラムではダビー・ゴメス新HC体制下とそれ以前でのチームスタッツを比較し、チームにどのような変化が起きているかを探っていきます。


開幕直後の選手負傷や外国籍選手の入れ替え、2度のHC交代等、数々のアクシデントに見舞われた滋賀レイクスは、ここまで5勝33敗で西地区最下位と非常に苦しんでいる。現在、チームは目標をB1残留に定め直し、ダビー・ゴメス新HCの下で立て直しを図っている。
新体制下での試合数はまだ6試合と限られているものの、仙台、三遠、川崎と様々なレベルのチームと満遍なく対戦しているため、今後を占う上で有益なデータとなるだろう。


※スタッツは2月16日時点での数字となります。

攻守に改善が見られる

攻守の出来を評価するため、旧体制下の1/22までの試合とゴメスHC就任後の1/28以降の試合で「オフェンスレーティング」「ディフェンスレーティング」を比較してみる。

??オフェンスレーティング
 ∟100回の攻撃機会での得点数
??ディフェンスレーティング
 ∟100回の守備機会での失点数

オフェンスレーティングは96.9→100.6で+3.7、ディフェンスレーティングは116.1→111.1で-5.0となっており、いずれの数字も改善していることが分かる。また、両者の差分を見る「ネットレーティング」も-19.2→-10.4に改善している。

1/28以降のネットレーティング-10.4という値はリーグ内で見れば決して高い数字ではないため、今後さらに改善していく必要はあるものの、ゴメスHC体制下となって、攻守共に改善が見られているのは良い兆候だ。


ターンオーバーを誘う激守によりディフェンスが改善

続いて、より改善幅の大きかったディフェンスについて掘り下げて見ていく。ディフェンス面のスタッツで際立っているのは、スティール数と相手のターンオーバー数の増加だ。平均スティール数は6.6→8.2、相手の平均ターンオーバー数は12.1→16.3に増加しており、ルイス・ギルHC・保田尭之HC代行時代からチームで志してきた「ハードディフェンス」がゴメスHCの下で形となりつつある。



1/28以降のスティール:8.2、相手のターンオーバー:16.3という数字は、現在両項目がリーグ1位の名古屋Dの値をも上回っている。相手から多くのターンオーバーを引き出す激しいディフェンスは今後も継続したいところだ。

一方で、ディフェンスで改善したいポイントとしては、過去2回のコラムでも触れた相手チームのペイントエリア内でのシュート成功率だ。相手のペイントエリア内でのシュート成功率は60.8%→65.5%とかなり悪化してしまっている。他のエリアの成功率に大きな変化がないだけに、この数字の悪化がなければ、ディフェンスレーティングはさらに低い数字となっていたはず。

高い位置から激しいディフェンスでプレッシャーをかけることで、相手のターンオーバーは増えている。ただ、その反面、プレッシャーを突破され、インサイドまでボールを入れられてしまうと、ゴール付近でのディフェンスが手薄となりがちで、相手のシュート成功率も高くなる。「ハードディフェンス」を維持しながら、インサイドまでしっかり守り切ることができるかが今後の鍵となりそうだ。

3月中にはインサイドの要であるイヴァン・ブバの復帰も予想されており、彼の復帰がチームの追い風となってくれることに期待したい。

ディフェンスの改善がオフェンスにも好影響を及ぼす

オフェンス面で目立っているのが、相手のターンオーバー後の得点を表す「ポインツオフターンオーバー」の増加で、平均12.6点→20.7点と大幅にアップ。激しいディフェンスで生み出した相手のターンオーバーをしっかりと得点につなげていることが分かる。

ターンオーバーから走る展開も増えており、速攻からの得点を表すファストブレイクポイントも平均10.5点→12.3点に増加。速攻でインサイドに攻め込める機会が増え、ペイントエリア内での得点も平均33.2点→36.3点に増加している。
これらはいずれもディフェンスの改善がもたらした好影響と考えられる。「ハードディフェンスからのファストブレイク」が徐々に形になりつつあると言えそうだ。


オフェンス面でもう1つ注目したいのが、オフェンスリバウンドでの奮闘だ。
自チームのシュートが外れた際にオフェンスリバウンドを確保できた割合を示すオフェンスリバウンド獲得率が27.9%→30.6%に、オフェンスリバウンド後の得点を示すセカンドチャンスポイントも平均10.8点→12.2点にアップしている。


ケルヴィン・マーティン
デクアン・ジョーンズを中心としたスモールラインナップで戦っている時間が長いにも関わらず、オフェンスリバウンドが取れているのは特筆すべきポイントだろう。
特に1/28以降はマーティンが平均2.3本、杉浦佑成が平均1.2本のオフェンスリバウンドを獲得しており、2m以下の選手の頑張りが目立っている。今後の対戦相手には強力なリバウンダーを有する強豪も控えており、リバウンドでの奮闘は引き続き必要となるだろう。

バイウィーク後の立て直しは必須

ゴメスHC就任前後のスタッツを比較することで、チームにポジティブな変化が起きていることが見えてきた。一方で、今回触れていない部分で改善すべき点も多くあり、バイウィークの期間でチームを立て直すことは、残留争いを生き残るためにも必須となるだろう。

最後にレイクスにとってポジティブなデータを1つ紹介したい。
今季のレイクスはバイウィーク前に強豪との試合が多く組まれていたが、バイウィーク以降は対戦カードが若干優しくなる。バイウィーク前は現在勝率5割以上のチームとの対戦が38試合中21試合あり、割合では55%だったのに対し、後半戦は22試合中9試合で41%に減少する。このスケジューリングも味方につけ、バイウィーク明けから巻き返していきたいところだ。

(文:データスタジアムム株式会社 バスケットボールアナリスト 柳鳥亮)

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