ゲームプログラム MAJESTY 12/16・17 vs 秋田ノーザンハピネッツ

大阪エヴェッサ

開幕ダッシュに失敗も 12月は負けなしの秋田




今節の相手である秋田ノーザンハピネッツは2009年に創立され、2010-11シーズンからbjリーグに参戦。当時は2度の準優勝の結果を残した。ちなみにかつては現在は千葉ジェッツに在籍し、日本代表の中心選手でもある富樫勇樹がプレーしていたこともある。

秋田はBリーグ初年度の2016-17はB1に参戦したが、1シーズンでB2降格。翌季に復帰を果たすとその後はいずれも中下位の成績ながら、5シーズン連続でB1の座を守り抜いている。今季は現在まで東地区8チーム中6位で、星取りは8勝11敗と黒星が先行している。だが現在の成績だけで、甘く見るのは厳禁だ。

今季の秋田は開幕月の10月を2勝7敗、翌11月も1勝4敗と大きく負け越してスタートダッシュに失敗した。しかし12月は負けなしの5連勝と、見事なV字回復を果たしているのだ。しかも5勝のうちに東地区2位の宇都宮ブレックス戦での1勝に、今や国内最高のポイントガードのひとりである河村勇輝を擁する横浜ビー・コルセアーズからの2勝が含まれている。11月半ばから約3週間のバイウィークの間に#15タナー・ライスナー、#32ハビエル・カーターと外国籍選手をふたり入れ替えたこともあり、チームの立て直しに成功したと見ていいだろう。開幕当初と同じチームと構えていては、痛い目を見る。

そんな秋田には圧倒的なエースプレーヤーという存在は見当たらないが、チーム全体でのプレー遂行力の高さが窺える。それが表れているのがディフェンス力。バスケットボールにおいてディフェンスは個の能力で行うものではなく、コートに立っている5人の連動によってなされるものである。今季の1試合平均失点は76.4で、これはリーグ24チーム中の8位。さらに5連勝中の12月に限れば1試合平均失点は71.0と、さらに数字を下げている。エヴェッサにとっては、秋田のディフェンスをいかに突破するかが勝利への最初のカギになる。


主力欠場で得点力低下中の エヴェッサを救うヤングスター




エヴェッサは11/12(日)の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦以降、1試合平均19.1得点をあげていた中軸の#32アンジェロ・カロイアロがコンディション不良で欠場中。10~11月はチームの1試合平均得点が83.3得点だったが、#32カロイアロ不在の12月はここまで同63.6。まさに彼のスコア分そのままの、約20得点近くも得点力が低下してしまっている。#32カロイアロは年内の復帰に向けて調整を続けているが、今節にコート復帰は難しいかもしれない。

#32カロイアロ不在によって欠けているスコアは、全員で補うしかない。その一番手に期待したいのが、ルーキーの#22飯尾文哉だ。昨季までの2シーズンはシーズン途中に特別指定選手で合流していたが、今季は新チームの始動からロスターの一員として準備してきた。本人も「特別指定選手のころは、途中からチームに加わる難しさはありました」と語りつつ、「でも今季は最初からいるので、チームのコンセプトも自分の役割も理解しています」と話している。

言葉通りに彼はチームへのフィットを高め、出場時間は昨季の1試合平均9分32秒から今季は13分51秒と増加。自身はプレーの軸足をディフェンスとし、その練度も高まっているが、もうひとつの持ち味である3Pシュートの精度も昨季の同19.6%から今季は34.1%と倍近くに伸びた。#22飯尾は今まさに、成長への階段を駆け登り始めている段階なのである。今節はエヴェッサのヤングスターが自身の成長を証明し、チームを勝利へと導く活躍を期待したい。
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