【レイクスとのすてきな関係】vol.9 びわこ成蹊スポーツ大学 支え支えられて成長する。 実のあるパートナー提携。

滋賀レイクスターズ

2003年4月に国内初のスポーツ大学として開学した「びわこ成蹊スポーツ大学」。Bリーグが発足した2015年から滋賀レイクスとアカデミックパートナーとなり、学生インターンシップなどで深い関係を築いてきた。
近年はASS(アスリートサポートステーション)やASE(チームビルディング研修)といった大学の経営資源を活用し、滋賀レイクスU15との連携も強化中だ。
今回はびわこ成蹊スポーツ大学の大河正明学長を訪ねた。Jリーグ常任理事や初代Bリーグチェアマンなどを歴任し、2022年9月30日に日本バレーボール機構(Vリーグ)の副会長に選任された偉人に、まずは滋賀レイクスの印象をうかがった。

2015年9月15日から5年近くBリーグチェアマンを務められました。その間、チェアマンの立場で滋賀レイクスをどう見ておられましたか?

どう表現するのが適切かは分かりませんが、昔ながらの県立体育館(ウカルちゃんアリーナ)を苦心して非日常のエンターテイメント空間に創り上げようと努力してこられた。
チアリーダーやマグニーも作られて、言葉を選ばすに言うと、ほんと健気にやっておられたなという印象があります。
bjリーグの最後の方には有明ファイナルズ(ベスト4)に進出する実力もありましたし、プロ野球やJリーグのチームがない滋賀県で、唯一のプロチームとして成長してほしいなと思っていました。
Bリーグのはじまりの頃は、正直、あの県立体育館でB1参入は無理だろうと思っていましたが、ものすごい粘り腰でBリーグ1季目からB1参入を果たされました。本当に、あの体育館を立ち見席などを駆使して参入条件を満たすアリーナにされました。どうしてもB1に入りたいというフロント陣の執念というのかな、クラブが一丸になっているのを感じましたし、滋賀を代表する存在に発展してほしいと思っていました。


Q.2020年7月にびわこ成蹊スポーツ大学副学長になられ、滋賀とのご縁もより深いものになったと思います。滋賀県にどんな印象をお持ちでしょうか?

伊藤忠商事や高島屋、ふとんの西川など、昔から起業家として近江商人が活躍してきました。滋賀県を飛び出して成功されている方もたくさんいらっしゃいます。
でも、そういう方々の中には、自分の成功を地元にどう還元すればいいか分からない人がけっこういらっしゃいます。かつての西川貴教さん(ミュージシャン)や上原さん(上原 仁/マイネット代表取締役社長・滋賀レイクス代表取締役会長)もその1人だったかもしれません。
そういった方々がたくさんおられる一方で、滋賀県出身者が「自分は滋賀出身です」と誇れるようなものが少ない気もしています。

Q.滋賀レイクスがその「誇れるもの」の一つになろうと頑張っています。

Bリーグでは栃木(宇都宮ブレックス)や沖縄(琉球ゴールデンキングス)といった大都会ではない地方のチームがリーグを引っ張っています。人気があって、実力もあるからです。
滋賀レイクスもチャンピオンシップに行けそうなシーズンがありました(コロナでリーグ打ち切り)し、そういう意味で言うと滋賀の経済規模でもBリーグのチャンピオンになれる可能性は本当にあると思っています。そして日本一になったら、県内外に関係なく滋賀出身の方も絶対に注目すると思います。
春夏の甲子園で近江高校が優勝こそ逃したけれどあれだけフィーバーして、昔ならサッカーで野洲高校が優勝して県民が誇れる存在になったと思いますし、その時に「オレ、滋賀出身」という方も増えたと思います。
そういう存在に滋賀レイクスも早くなってほしいです。強くなればお客さんが増えるという単純なものではないですが、でも一度、本当に優勝を目指して突き詰めてみる、滋賀から日本一を出す、琵琶湖以外で日本一のものを早く出す、同じ滋賀の大学にいる身としては本当にそれにチャレンジしてほしいです。


Q.びわこ成蹊スポーツ大学と滋賀レイクスは、2015-16シーズンからアカデミックパートナーを締結されています。その経緯を教えてください。

(締結した)その頃に僕はいなかったから詳しい経緯を知っているわけではないですけど、唯一のスポーツ大学として滋賀県唯一のプロチームと提携させていただいて、お互いにWin・Winの関わりを持たせていただこうと考えられたのだと思います。

Q.大河さん自身がパートナーとして期待されていることはなんでしょうか?

時代の流れとして、看板や練習着、ユニフォームに名前が出ることだけがスポンサーの価値ではなくなってきています。その中で、スポーツ大学との提携だからできる価値を滋賀レイクスにも味わってもらい、僕らも応援し、また滋賀レイクスからも支えてもらうような関係の構築を望んでいます。
スポンサーではなく、本当のパートナーとして成り立っていきたい。すでに取り組みは始まっていて、滋賀レイクスU15(ユースチーム)の選手たちが、本学のASS(サポートアスリートステーション)を使ったデータ測定を行なっています。1年、2年、3年生と半年に一度を目処にデータを測定し、その蓄積データをもとに跳躍力や柔軟性、筋力などがどんなトレーニングで数値が向上したのかを導き出していく。スポーツ大学ならでは連携だと思います。

また、滋賀レイクスU15のメンバーには、大学の野外施設「野性の森」でASE活動(チームビルディング研修)を体験してもらい、実践に活かしてもらっています。これからも、大学が持っている経営資源をうまく滋賀レイクスに活用していただきたいと思います。


滋賀レイクスへの学生インターンシップも大学らしい提携の形ではないでしょうか?

びわこ成蹊スポーツ大学は滋賀レイクス以外に、Jリーグのセレッソ大阪とVリーグの久光スプリングスとも提携させていただいています。学生にとっては、バスケットボール、サッカー、バレーボールという日本で人気の高いプロクラブ・プロチームでインターンシップを経験できるチャンスがあるのは魅力的だと思います。
びわこ成蹊スポーツ大学は今まで2割くらいの学生が教員になっています。また1割くらいが警察官や消防員などの公務員になっています。その中で、スポーツ企業に就職したいという学生も増えてきています。
だいたいがスポーツメーカーをイメージしているみたいですが、今年は自分で調べてモンテディオ山形や島根スサノオマジックなどのプロスポーツクラブを受けに行った学生も出てきました。潜在的には、プロスポーツクラブで働きたいと考えている学生はいっぱいいると思います。
とはいえ、プロクラブ・プロチームで新卒採用はあまり行いません。経験豊富な転職組がクラブを支えているのが現状です。でも、そろそろ新卒がクラブを支えるような時代にならないといけないとも思います。
そこで、来年からプロスポーツコアチームみたいなものを大学に作ろうかと考えています。マーケティングやパートナーシップ、テレビの放映権の仕組み、リーグの規約や規定など、どういう背景でプロスポーツが成り立っているのかを学ぶ機会を学生に提供したい。
例えば、Bリーグの日程って誰がどうやって作っているんだろうとか、滋賀レイクスの広告のここにはなぜいつも同じ企業が並んでいるんだろうとか、そういう誰も教えてくれないことを1年かけて学ぶ。その後にインターンシップに行けば「"びわスポ"の学生やるじゃん」となるかもしれませんから。
その講師に滋賀レイクスの運営に関わってきた方になっていただくとか。そういうプロクラブとの提携もおもしろいかなと思っています。


Q.今後、滋賀レイクスに期待されることなんでしょうか?

優勝(即答・笑)
実際、チャンピオンシップに進出したら色んなことが変わると思っています。昨年の秋田(秋田ノーザンハピネッツ)や富山(富山グラウジーズ)なども、チャンピオンシップ進出によって周りの見方が変わったと聞いています。
滋賀レイクスには「夢は大きく、志は高く」やってほしいと思います。
あとは日本の体育大学の序列を変えたい。スポーツ大学ならやっぱり「"びわスポ"だよね」と言われるくらいに。
競技だけではなく、スポーツビジネスや政策、パフォーマンス分析などスポーツには色んな学びがあります。"びわスポ"に行ったらスポーツ分野でいろんなチャンスがあるぞと思われる大学に近づきたい。
そういう意味も含めて、県内高校生の認知度を80%以上にしたいです。だいたい誰でも知っているよっていうのが80%以上です。そのために、県内認知度83%の滋賀レイクスと連携して大学の魅力を発信していければいいなと思います。
先日、寺下太基さん(滋賀レイクスU18ヘッドコーチ)と森山修斗選手がオープンキャンパスに来てくれました。その時はやっぱり高校生が増えました。学生の募集面では力をお借りし、今度はASSやASEで協力する。そういうパートナー関係を強くしたいですね。

あと、滋賀レイクスチアリーダーズとも連携していきたいですね。僕はBリーグで3本の指に入るチアリーダーだと思っています。彼女たちの存在は滋賀を元気にしますし、大学とも交流していければいいなと思います。


滋賀レイクスでは応援してくださるパートナーを随時募集しております。

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