「夢は日本を代表するガードになること」#31 ハーパー ジャン ジュニア

琉球ゴールデンキングス

17歳の特別指定選手が憧れのキングスへ! 「夢は日本を代表するガードになること」 #31 ハーパー ジャン ジュニア

今回はB1リーグ史上最年少入団で話題となった特別指定選手、#31ハーパー ジャン ジュニア選手が登場。キングスでの活動を通して感じたこと、先輩チームメイトとのエピソードからプライベートに至るまで、「南風堂々」編集部がたくさんのお話を伺いました。今のハーパー選手がわかるインタビューの模様をお届けします!
※2021年2月下旬取材

ハーパー選手の素顔
はじめまして。今日はよろしくお願いします!

ハーパーです。よろしくお願いします。

取材は既にたくさん受けられて慣れていると思いますが、まずは簡単な質問から!好きな食べ物を教えてください。

キンタコ(キングタコス:タコライスの人気店)です。週1くらいで食べていると思います。

沖縄県民のソウルフード・タコライス。
さすがうちなーんちゅ!沖縄では定番ですし、タコライスが美味しいですよね!
最近は忙しいと思いますが、オフの過ごし方やバスケットボール以外の趣味は何かありますか?

ビリヤードに行ったり、たまに友達とゴルフをしに行ったりします。ゴルフは高校3年生の夏くらいに誘われて行ったら面白くて、それから行くようになりました。

やっぱり体を動かすのが好きなんですね。

そうですね。オフの日も公園でバスケをしたりしています。

地元・沖縄の好きなところを教えてください。

まずは海がきれいなこと、あとは夜景が好きですね。よく星を観に行ったりもします。
友達が車で迎えに来てくれるので、一緒に星空を観に行くんです。まぁ、男友達なんですけど(笑)。

ロマンチックですね(笑)。
先日、並里選手と写っているインスタグラムを拝見したのですが、一緒にお出かけされたんですか?

はい。あれは成さんの撮影があったので行きたいって言って、一緒に撮影してもらいました。

中・高の先輩で憧れの並里選手と。
あの写真で着ていたのは私服ですか?すごくおしゃれですよね。

はい、私服です。高校に入ってからファッションに目覚めたというか、練習がない日も幼なじみの部活仲間と二人で洋服を買いに行ったり、2年の時3年だった河村勇輝先輩(福岡第一高校の先輩で現:東海大学)と買い物に行ったりしていましたね。

そうなんですね!並里選手からファッション面も影響を受けているのかなと思いました(笑)。
ファッションのこだわりはありますか?

そんなにこだわりはないんですけど、太ももが太くて履けるパンツが少ないので、ダボダボパンツでごまかしています(笑)。

確かに、体に合うサイズの洋服を探すのは大変そうですね。ハーパー選手といえば、当たり負けしないフィジカルの強さと身体能力の高さが魅力ですが、高校時代にかなり鍛えられたんですか?

それもあるんですけど、父親がレスリングをやっていたので遺伝もあると思います。あと、肩幅が広いのは小さい頃に水泳をやっていたからかもしれません。高校に入ってからは週1でトレーニングをトレーナーさんに見てもらったりしていたので、それで体が大きくなったんだと思います。

ウエイトトレーニングの様子。
なるほど。180㎝という身長でダンクシュートができるのもすごいと思うのですが、垂直飛びは何㎝くらいですか?

測ったことがないんですよ。

単純計算でも1m近く飛ばないと届かないのでは!?

たぶん手が長いからできるんだと思います!

確かにハーパー選手はウィングスパン(腕の長さ)が身長に対して194㎝とかなり長いんですよね。ちなみにいつからダンクシュートができるようになったんですか?

高校2年生の始めの頃です。国体のチームで試合前のレイアップをしていて、皆がダンクをしていたので「とりあえずやってみよう」と思って自分もやったら成功したんです。それからやるようになりました。

キングスに入団して初得点を挙げた日のダンクシュートは特に印象深いです!出身校の福岡第一高校はバスケットボールの強豪校で練習がハードなことでも知られていますが、一番キツかった練習メニューは何ですか?

33秒でオールコートを3往復する「33秒」っていうランメニューが死ぬほどキツかったです。行きは普通に走るだけなので簡単なんですけど、帰りはバックラン(後ろ向き)で走らないといけないんです。バックランが入ると全然レベルが違うんですよ!それを1日20本やっていました。

その練習は毎日やっていたんですか?

いえ、毎日やってたら今頃死んでると思います…(笑)。でも2日に1回とかは、やっていましたね。

なるほど。それであの福岡第一高校ならではの“速いバスケ"が実現できているわけですね?

はい。試合の後半になっても誰もスタミナが落ちないのは、あの練習のおかげだと思います。

そうしたハードな練習の積み重ねが、今の体格やプレースタイルにも結び付いているんですね。

はい。でもコザ中学校(ハーパー選手の出身校)の時からよく走っていたのでよかったと思います。中学の先生と井手口先生(福岡第一高校監督)の考えが似ていて、周りからもバスケが楽しく見えるから「走るバスケが一番いい」という考えがあったんです。

確かに“走るバスケ"、速い展開でのバスケットボールはとても見応えがありますよね。ハーパー選手が今までで一番印象に残っている試合は何ですか?

天皇杯で京都産業大学と対戦して、アリがブザービーターを決めた試合※です。その時は16点差くらいで負けていた試合なんですけど、最後に勝つことができました。

※2020年11月28日に行われた第96回天皇杯・1次ラウンド。関西4位の京都産業大学を相手に一時は大幅にリードを許していたが4Qで逆転。試合時間残り8秒で同点に追いつかれるも、キエキエトピー・アリ選手のブザービーターで86-84の劇的勝利を収めた。

あれは劇的でしたね。あとはやはり、ウインターカップの準々決勝、後に優勝した仙台大学附属明成高校との熱戦が記憶に新しいのですが、その時の思いは残っていますか?

いやー、あれは本当に悔しかったですね…。競っていた試合だったんですけど、負けてしまったので…。

大変悔しい思いをされたと思いますが、ラストミーティングでゲームキャプテンとしていろいろな方に感謝を伝えるハーパー選手の動画を拝見して、とても感動しました。

ありがとうございます。

憧れのキングスに入団して
1月26日に特別指定選手としてキングスに入団。「子供の頃から憧れていたキングスに入団できて夢のよう」とお話しされていましたね。それからB1リーグ最年少で試合に出場、初得点を決めて、全国的にも注目を集めたハーパー選手ですが、ご自身で実感はありましたか?

レバンガ北海道戦の初戦に出場した時、最初はまだ実感がなかったんですけど、ベンチで「ジュニア!ジュニア!」って藤田HCに名前を呼ばれた時に「キングスに入ったんだなぁ」と実感が湧きました。

試合に初出場した際の入場シーン。
Bリーグデビューの日はどんな気持ちでしたか?印象に残っていることがあれば教えてください。

ベンチにいた時は「早く試合に出たい」って思っていたんですけど、いざ出るとなったらガチガチになって(笑)。でも、成さんや隆一さんが声をかけてくださって、コートではリラックスしてプレーすることができました。

コート上で声をかける岸本隆一選手。
入団してからキングスの練習に参加したり、遠征に帯同したりした感想はいかがですか?

プロだと食事面とか全部各自でケアしないといけなくて、わからないこともあったんですけど先輩たちにいろいろ教わりました。

食事については並里選手に教えてもらっていると伺いましたが、具体的にどんなアドバイスがあったんですか?

自分は魚がめっちゃ苦手で全然食べられなかったんです。成さんに「ご飯行こう」って誘われた時に「ステーキを食べに行くのかな♪」って思っていたら魚の店で。成さんは自分が魚を食べられないことを知らなかったんですけど「プロに入ったら魚を食べた方がいいよ」とアドバイスしていただいて、いざ魚を食べてみたらめっちゃうまかったんです!ただの食わず嫌いでした(笑)。

嫌いな食べ物を克服できたのは並里選手のおかげですね!他のチームメイトとのエピソードも伺いたんですが、チームの皆さん全員とお話されましたか?

はい。毎日チームメイトと少しずつ話をして、全員とコミュニケーションを取っていました。

試合前に小野寺選手、今村選手と敬礼をしていましたよね?あれが気になったのですが…。

あぁ(笑)。あれは、始まりと終わりに挨拶をした方がいいだろうって話を3人でしていて、やるようになりました。成さんと小野寺さんには最初に話しかけてもらって、よくしていただいています。それから、満原さんは大学の先輩なので、いろいろ話しかけてもらって感謝しています。

チームでは牧選手が一番年の近い先輩ですよね。牧選手とはどんな話をしますか?

いろんな話をするんですけど、牧さんはとにかくTWICEが大好きなんです(笑)。自分がJAPAN(日本代表)の合宿でチェコに向かう時に、実は空港でTWICEに会ったことがあるんですよ!友達がたまたますれ違って名前を呼んだら振り向いたので、自分も行ったらメンバー全員がいたんです。ボディガードがたくさんいたので結局何もできなかったんですけど、それを牧さんに自慢したら「それめっちゃいいじゃーん!!」って(笑)。牧さんはTWICEの話をし始めたら止まらないです。

牧選手は相当うらやましかったでしょうね(笑)。試合デビューの日に英語でもスピーチされていましたが、外国籍選手ともコミュニケーションを取っていますか?

はい、けっこう話しますね。セドリックさん(シモンズ選手)とはお互いスニーカーが好きなのでスニーカーの話をしますし、あとドウェイン(エバンス)選手とは自分が試合に出る前にダンクの話をしていたんです。「お前できるのか?」って言われたので「やるから見ていて!」って話をしました。

北海道戦の2戦目でダンクシュートを決めたのはその流れからですか?

はい!それでダンクを決めた後にベンチを指差してるんですけど、あれはドウェイン選手に向けていました!

そうだったんですね!外国籍選手をはじめ先輩たちと実際に接してみて、プロと学生の違いをどのように感じましたか?

外国籍選手はアウトサイドもできますし、コミュニケーションもしっかり取れますし、逆に向こうからやった方がいいことをいろいろアドバイスしてくれるので、とても勉強になります。

2月7日の北海道戦でダンクシュートを決めた。
キングスで活動してみて、身に付いたことや学んだことはありますか?

プレー面だとやっぱりピックの使い方や、中に入ってのシュートですね。スキルコーチの方や成さんからいろいろ教わっていますし、それ以外にも体のケアの仕方を教わったりしました。

春から東海大学へ
短期間ながらチームにもなじんで、すっかりキングスの一員になりましたね!現在は進学の準備中だと思いますが、そもそも東海大学への入学の決め手は何だったのですか?

コーチ陣がたくさんいてバスケットIQも高いですし、いろんなスター選手がいるので試合の時だけじゃなくて普段の練習から成長できると思い、東海大学を選びました。

大学生活で楽しみにしていることはありますか?

特にはないんですけど…勇輝さんからずっと「温泉に行こう」って誘われているので「しょうがないから一緒に行ってあげようかな♪」って感じです(笑)。

河村選手とハーパー選手がいたら目立ちそうですね!大学でも活躍が期待されますが、今後どんな選手になっていきたいですか?将来の夢を教えてください。

日本を代表するガードになりたいです!

おぉ!ハーパー選手の将来が楽しみでわくわくします!では最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。

短い期間なんですけど、琉球ゴールデンキングスからたくさんのことを学んで吸収して、大学でも成長して、また地元のファンの皆さんの前でプレーできるように頑張りますので、応援よろしくお願いします!

素晴らしいメッセージありがとうございます!引き続き応援していますので、大学に行っても頑張ってくださいね!今日はありがとうございました。

ありがとうございます。頑張ります!

子供の頃から憧れていたキングスに入団。ハーパー選手の夢への扉はまだ開いたばかりだ。
Profile#31 PG/SG ハーパー ジャン ジュニア はーぱー・じゃん・じゅにあ

2003年2月9日生、沖縄県沖縄市出身。180㎝、80㎏。7歳の時に初めてキングスの試合を観て憧れ、バスケットボールを始める。コザ中学校から福岡第一高校に進み、在学中にU16日本代表に選出。2年の時にウインターカップ、インターハイの2冠を達成。今年1月に特別指定選手として琉球ゴールデンキングスに加入し、17歳と11カ月28日で初出場。Bリーグ史上最年少出場記録を更新した。春からは東海大学への入学が決まっている。

取材を終えて…
最後にスクリーンショットを撮影する際、サービス精神旺盛に試合前の敬礼ポーズを決めてくれたハーパー選手。高校生らしく初々しい一面もありながら、どんな相手でも物怖じすることなく高いコミュニケーション能力を発揮している彼の今後がますます楽しみになりました。実はこのインタビュー時、また試合に出られたら「3Pシュートを決めたい」と話していました。残念ながら特別指定選手の活動終了で叶いませんでしたが、キングスに戻ってきた時は、ぜひとも満員の沖縄アリーナで3Pシュートを決める姿を見せてほしいです!

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